精選版 日本国語大辞典 「十地」の意味・読み・例文・類語
じゅう‐じ ジフヂ【十地】
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仏教を修行する過程での10の境地・段階を指す。サンスクリットdaśa-bhūmiの訳語であるが,他に〈十住(じゆうじゆう)〉とも訳されている。しかし,十住は十地よりも低い段階を指している場合もある。仏教経典中には何種類かの十地が説かれているが,もっとも代表的なものが〈菩薩(悟りを求め修行している人)の十地〉で,悟りの境地すなわち仏となる直前に経過しなければならない10段階の総称である。またその最後の第十法雲地(ほううんじ)を略して十地ということもある。仏教に入信してから順次に十信,十住,十行(じゆぎよう),十回向(じゆうえこう),十地,等覚(とうがく)を経て第五十二位妙覚(みようかく)(=仏の位)に達するのである。菩薩の十地はとくに《華厳経(けごんきよう)》中に詳しく説かれている。
執筆者:井ノ口 泰淳
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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