十二使徒(読み)じゅうにしと(英語表記)The Twelve Apostles

精選版 日本国語大辞典 「十二使徒」の意味・読み・例文・類語

じゅうに‐しと ジフニ‥【十二使徒】

イエスキリストが、多くの弟子たちの中から選んだ一二人の弟子。すなわち、ペテロシモン)、ヨハネアンデレ、セベダイの子ヤコブピリポ、バルトロマイ、マタイトマス、アルパヨの子ヤコブ、ユダ(ヤコブの子、別名タダイ)、熱心党のシモン、イスカリオテのユダの一二人で、キリストは特にこれらの弟子を使徒と名づけた。一二人のうちイスカリオテのユダがのちにキリストを裏切り、代わりにマッテヤが選ばれた。十二弟子。使徒。

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デジタル大辞泉 「十二使徒」の意味・読み・例文・類語

じゅうに‐しと〔ジフニ‐〕【十二使徒】

使徒

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十二使徒」の意味・わかりやすい解説

十二使徒
じゅうにしと
The Twelve Apostles

キリストによって特別の伝道の使命を与えられた 12人の使徒。すなわちペテロ (シモン) ,ゼベダイの子ヤコブ,ヨハネ,アンデレ,ピリポ,バルトロマイ,マタイ,トマス,アルパヨの子ヤコブ,タダイ (ユダ) ,熱心党のシモン,イスカリオテのユダの 12人 (マタイ福音書 10・2~3,マルコ福音書3・16~19,ルカ福音書6・13~16,使徒行伝1・13) 。使徒の 12の数は,イスラエルの 12部族にかたどられたもので,使徒を選定したイエスの意図が古いイスラエルに代る新しい神の民結成にあったことを示していたと考えられる。共観福音書によれば彼らはキリストより権能を受け,キリスト昇天後は新しい教団の中心となった。イエスを裏切ったユダの死による欠員は,新しい教団ではマッテヤが選ばれて補われた。 12使徒のその後については,『使徒行伝』その他から知られるペテロ,ヨハネの活動,ゼベダイの子ヤコブの殉教死以外,ほとんど伝説以上のことは知られていない。伝説は彼らが世界に散って,それぞれ殉教したことを語っている。初期キリスト教美術では,12使徒がキリストを取巻く 12の鳩,羊,星などによって表わされ,中世紀にはイスラエルの 12の支族を意味し,ペテロの鍵と魚,ヤコブの巻物,ヨハネの本やへびのまつわる聖盃,ピリポのラテン十字架などのアットリビュート (持物) によって区別される人像により表現されるようになった。 12使徒がそろって表わされるのは,古くはビザンチン聖堂の中央ドームやアルプスの半円ボールト (穹窿) のモザイクに多く,5世紀中葉のラベンナの正教徒洗礼堂の円蓋モザイクは有名。そのほか各時代にわたって,「最後の晩餐」「キリストの昇天」「聖霊降臨」図などには 12使徒が表わされるのが普通である。

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とっさの日本語便利帳 「十二使徒」の解説

十二使徒

イエスは福音を伝えるために、一二人の弟子を選んで使徒とした。ガリラヤの漁夫シモン(のちのペトロ)、アンデレ(ペトロの兄弟)、ヤコブ、ヨハネ(ヤコブの兄弟)、フィリポ、バルトロマイ、トマス、マタイ、ヤコブ(小ヤコブ)、タダイ、熱心党のシモン、イスカリオテのユダである。

十二使徒

→「いつか必ず役に立つ!編 これだけは押さえておきたい!欧米古典」の「十二使徒」

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改訂新版 世界大百科事典 「十二使徒」の意味・わかりやすい解説

十二使徒 (じゅうにしと)

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百科事典マイペディア 「十二使徒」の意味・わかりやすい解説

十二使徒【じゅうにしと】

使徒

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「十二使徒」の意味・わかりやすい解説

十二使徒
じゅうにしと

使徒

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世界大百科事典(旧版)内の十二使徒の言及

【原始キリスト教】より

…その上限は,イエスをキリストと信ずる信徒たちを成員とする共同体が成立した時期であるが,これが〈教会〉という形をとるのはイエスの死後,後30年代に当たる。
[原始教会の成立]
 最初の教会(いわゆる〈原始教会〉)は,《使徒行伝》の著者ルカによれば,聖霊の降臨にあずかった十二使徒を中心としてエルサレムに成立し,ペテロに代表される彼らの宣教内容はイエス・キリストの復活にあった。キリスト信仰の成立に,かつてのイエスの弟子たちの有した,復活のイエスの顕現体験に基づく復活信仰が大きな役割を果たしたことは事実である。…

【最後の晩餐】より

…それ以前の初期キリスト教時代には,聖餐のサクラメントはパンと魚または他の主題(〈カナの婚礼〉〈パンと魚の奇跡〉)によって暗示的に表現されていた。初期の説話的表現では,キリストと十二使徒は古代の宴の習慣に従い,長椅子に横たわる姿勢で半円形あるいは馬蹄形のテーブルを囲んでおり,その上には聖餐の食物としてパンとブドウ酒の入った聖杯,あるいは魚や小羊(過越の祭に食べた犠牲の動物)などが置かれる。ビザンティン美術においては,サクラメントの意味を強調するために,キリストが弟子たちに聖体とブドウ酒を与えるという特殊な表現(〈使徒の聖体拝領〉)が用いられることもある。…

【使徒】より

…原始キリスト教会において最重要の地位を占め,大きな権限を委託された指導者群をさす。その中核にはイエスが選んだとされる十二弟子(十二使徒)がいたとも考えられるが,十二弟子そのものの歴史性を疑問視する学者もいる。しかしパウロの《コリント人への第1の手紙》15章5節以下が示している最初期の宣教の要約は,実際にはイスカリオテのユダを欠いて十一人となっていたはずの弟子グループをそのまま〈十二人〉と表示することによって,それがすでにきわめて早い時期に固定化されたひとつのまとまりを意味していたことを暗示していることは注目すべきである。…

※「十二使徒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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