北部反乱(読み)ほくぶはんらん(英語表記)Northern Rebellion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北部反乱」の意味・わかりやすい解説

北部反乱
ほくぶはんらん
Northern Rebellion

1569年イギリスで起った貴族の反乱。前年スコットランドメアリー・スチュアートイングランドに逃れ,タトベリーに軟禁状態になったのを機に,4代ノーフォーク (公),6代ウェストモーランド伯チャールズ・ネビル,7代ノーサンバーランド伯トマス・パーシーらイングランド北部に領地をもつカトリック貴族が画策メアリーを救出してノーフォークと結婚させたうえ,スペインの武力援助を得て,エリザベス1世にカトリック復活と新教徒側近の排除を迫る,という内容。ノーフォークは女王に気づかれて陰謀から手をひいたが,他の2人は 11月決起し,政府も北部長官サセックス (伯)のもとに鎮圧軍を編成した。しかし反乱軍は政府軍におじけづき,戦うことなく退却,両伯はスコットランドに逃れた。翌年1月レナード・デイカーが新たに挙兵したが,ハンズドン (男)に撃破された。指導者のうち,ウェストモーランドはさらにフランドルに逃れて終生大陸各地で亡命生活をおくり,デイカーもスコットランドからフランドルに逃れたが,ノーサンバーランドはのちイングランドに引渡されて斬首された。他に反乱参加者約 800名が処刑された。

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