北見山地(読み)きたみさんち

精選版 日本国語大辞典 「北見山地」の意味・読み・例文・類語

きたみ‐さんち【北見山地】

北海道北東部の山地。西側は天塩(てしお)川に、南側は石狩山地に限られ、オホーツク海の海岸に平行して走る。最高峰天塩岳(一五五八メートル)。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「北見山地」の意味・読み・例文・類語

きたみ‐さんち【北見山地】

北海道北東部、東のオホーツク海岸に並行して走る山地。最高峰は天塩てしおの標高1558メートル。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「北見山地」の解説

北見山地
きたみさんち

上川地方と網走地方の境界に沿ってオホーツク海側に北西方向に広がる山地。北海道北部で、天塩川河谷になる中央凹地帯を隔てて西側の天塩山地とハの字に開く二軸をなす。南は石狩川・常呂ところ川・利別としべつ川の上流を境に石狩山地に接し、東は網走川河谷で知床しれとこ火山群と隔て、北東側はオホーツク海沿岸海岸段丘からなる台地に緩く下り、北西端は頓別とんべつ平野に接して神威かむい(枝幸町・浜頓別町境)で終わる。全体に浸食が進んで緩やかな従順形になるが、地質構造、河川系で四山地に細分される。北端部のポロヌプリ山地は日高累層群からなり、ポロヌプリ山(八四一メートル)を最高点に南北に軸をもち、北端の神威岬は一帯の沿岸低地に四〇〇メートルの高さで屏風のように突出し、沿岸の要害であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「北見山地」の意味・わかりやすい解説

北見山地 (きたみさんち)

北海道北部から北東部にかけて走る山地。オホーツク海斜面と日本海・太平洋斜面とを分け,また北海道の基本的な気候区を分ける山嶺線の一つとなっている。東は網走川河谷で限られ,西は中央盆地列で天塩山地と,南は石狩川上流の河谷で石狩山地と区分されている。蝦夷山系の一部を構成するが,この山系に含まれる他の山地が南北方向に伸びるのに対して,北東方向に山稜が伸び,いくつかの塊状山地に分かれている。大部分は標高1000m以下のなだらかな従順山地で,南に向かって高度を増し,南部には壮年山地の様相を示す部分もある。天塩岳(1558m)や渚滑岳(1345m)などの高峰は,浸食に強い火成岩類の残丘である。山地周辺の山麓には周氷河性の緩斜面が各所に発達している。火成作用によって生成された金属鉱床があり,かつては日本有数の産出量を誇った金,銀の鴻之舞鉱山や水銀のイトムカ鉱山が操業していたが,ともに1973年閉山した。山地の大部分は国有林で,天然林が多い。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北見山地」の意味・わかりやすい解説

北見山地
きたみさんち

北海道中央脊梁山地の北部を構成し,大雪山以北の東側標高約 1000mの山地。中央部の基盤は秩父古生層,中生層,周辺部に新第三紀層が広がり,これらを貫いて安山岩,流紋岩の噴出が見られる。地形は浸食の進んだ従順山地で,そのなかに武華山(1759m),武利岳(1876m),天塩岳(1558m)などが残丘となってそびえる。この山地はオホーツク海側斜面と上川盆地名寄盆地などの中央盆地列との分水嶺となり,石北峠,北見峠,咲来峠(さっくるとうげ)が東西を結ぶ。金,銀,銅など鉱物資源を埋蔵し,森林資源にも恵まれ,エゾマツ,トドマツの美林が多い。東麓の温根湯温泉は有名。最も原始的な景観に富む天塩岳,渚滑岳周辺は,天塩岳道立自然公園に属する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「北見山地」の意味・わかりやすい解説

北見山地
きたみさんち

北海道北東部の山地。東のオホーツク海岸に並行して広がり、西は中央盆地列に向かって急斜し、南は石狩山地に接し、南東は網走(あばしり)川河谷で限られている。蝦夷山系(えぞさんけい)の一部を構成するが、他の山地とは違って、いくつかの塊状山地に分かれる。北からポロヌプリ山地、北部・中部・南部の各山地が並び、南に行くにしたがって高度を増す。大部分は1000メートル以下の従順山地であるが、南部には壮年山地の様相を示す部分もある。天塩岳(てしおだけ)(1558メートル)や渚滑岳(しょこつだけ)(1345メートル)などの高山は、侵食に強い火成岩類からなる残丘である。火成作用によって金、水銀などの金属鉱床が形成され、かつてはイトムカ、鴻ノ舞(こうのまい)などわが国有数の鉱山が操業していた。周氷河性の緩斜面が各所にみられ、オホーツク海沿岸には広い海成段丘が発達して、農業生産性の低い重粘土質土壌をのせている。

[岡本次郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「北見山地」の意味・わかりやすい解説

北見山地【きたみさんち】

北海道北部,大雪山塊以北の北西―南東に延びる山地。古生層,中生層の基盤に第三系が重なり,天塩岳(1558m),武利岳(1876m),武華山(1759m)などが残丘状に突出。エゾマツ,トドマツの針葉樹林が顕著。火山活動に伴う金属鉱床があり,鴻之舞(こうのまい)鉱山があった。
→関連項目美深[町]北海道

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android