北河内薬師堂(読み)きたごうちやくしどう

日本歴史地名大系 「北河内薬師堂」の解説

北河内薬師堂
きたごうちやくしどう

[現在地名]美東町大字絵堂 北河内

現在、北河内集落の公会堂となっており、本尊薬師如来の脇侍、日光・月光両菩薩像は、寛政九年(一七九七)に当地を訪れた木喰(五行明満)の作である。

木喰五行は、八月一五日秋吉あきよし(現秋芳町)広谷ひろたにを出立し、秋吉台から長登ながのぼり絵堂えどう宿を経て北河内に立ち寄り、百姓弥兵衛の世話で九月六日まで薬師堂に滞在した(御宿帳)。この間四体の木彫仏像を残したが、いずれも薬師堂傍らのタブノキを素材にしている。うち二体の日光・月光両菩薩立像(丈五六センチ)はともに微笑仏で、背面には完成の日付と、花押とともに「八十歳」と墨書がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android