北朝鮮のミサイル開発(読み)きたちょうせんのみさいるかいはつ

知恵蔵 「北朝鮮のミサイル開発」の解説

北朝鮮のミサイル開発

北朝鮮は、旧ソ連が1960年代に配備した短距離弾道ミサイル・スカッド(ロシア名R‐17)を80年ごろエジプト経由で入手、スカッドB、スカッドCに改良、中東諸国に輸出するとともに、90年代中期に中距離弾道ミサイル・ノドン(ノドン弾道ミサイル)を国産化した。ノドンは、発射地点である咸鏡北道蘆洞(北朝鮮読みはロドン)から米国が付けたコードネームで、ノドン1は93年5月29日、日本海中部に向けて試験発射された。最大射程1300kmといわれ、日本列島がほぼ射程に入る。北朝鮮は次いで98年8月31日、大浦洞(テポドン)から、日本列島越しに太平洋に向け、長距離弾道ミサイル・テポドン1 (テポドン弾道ミサイル)を発射。北朝鮮は初の人工衛星「光明星1号」の打ち上げロケットだと主張した。北朝鮮はさらに2005年5月1日、日本海に向けて新型の短距離弾道ミサイルを発射。米国は射程の短さから「新しいカテゴリーに入るミサイル」と分類、再編の進む在韓米軍基地を標的にする可能性を持つ、と分析した。米国が自国到達可能なテポドン2の開発を警戒する中、北朝鮮は06年7月5日、テポドン2を含む7発のミサイルを日本海に向け試験発射した。

(2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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