北州(読み)ホクシュウ

デジタル大辞泉 「北州」の意味・読み・例文・類語

ほく‐しゅう〔‐シウ〕【北州】

北国ほっこく1」に同じ。
北国ほっこく」に同じ。
「―の遊び、嗚呼ああ楽しいかな」〈洒・遊子方言
[補説]曲名別項。→北州

ほくしゅう【北州】[清元]

清元本名題北州千歳寿ほくしゅうせんねんのことぶき」。大田蜀山人おおたしょくさんじん作詞、川口お直作曲文政元年(1818)発表江戸吉原四季風物を歌ったもので、「梅の春」とともに祝儀物代表作

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改訂新版 世界大百科事典 「北州」の意味・わかりやすい解説

北州 (ほくしゅう)

清元の曲名。祝儀曲。本名題《北州千歳寿(ほくしゆうせんねんのことぶき)》。1818年(文政1)開曲。作詞大田南畝。作曲川口お直。北州とは江戸の北方にあたる吉原を指し,その四季の風物を描いた作品。作曲者が吉原の芸者であったので,廓の雰囲気がよく表現されている。素踊として初世花柳寿輔が振り付けたが,各流にもほとんどそのまま受け継がれている。江戸の社交場であった吉原を背景に,遊客,太鼓持,遊女,禿(かむろ),武士などさまざまな人物像を踊り分けねばならぬ難曲とされている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「北州」の意味・わかりやすい解説

北州
ほくしゅう

清元(きよもと)の曲名。本名題『北州千歳寿(せんねんのことぶき)』。蜀山人(しょくさんじん)作詞。作曲は元吉原の芸者、川口お直といわれる。1818年(文政1)初演。北州とは江戸の北、吉原をさす。清元のなかでも『梅の春』と並んで重要な曲とされ、吉原の1年間の風物や年中行事を歌っためでたい曲である。狂歌で名高い蜀山人が作詞者だけに、凝った歌詞につくられ、曲の終わりには、清元延寿太夫(えんじゅだゆう)の名を歌詞に詠み込み、同流の発展を祈っている。ゆったりとした華やかな節付けだが、後半には間拍子(まびょうし)のよい節付けで変化をつけている。

[茂手木潔子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北州」の意味・わかりやすい解説

北州
ほくしゅう

日本舞踊,素踊りの御祝儀曲。清元。座敷浄瑠璃の一つ。本名題『北州千歳寿 (せんねんのことぶき) 』。大田蜀山人作詞,元吉原の芸者川口なお (直) 作曲。文政1 (1818) 年発表。のちに1世花柳寿輔により振付される。北州とは遊郭吉原のことで,その年中行事と四季の風物を歌ったもの。吉原を彩る 18人の人物を踊り分ける難曲。

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百科事典マイペディア 「北州」の意味・わかりやすい解説

北州【ほくしゅう】

清元節の曲名。本名題《北州千歳寿(せんねんのことぶき)》。蜀山人(大田南畝)作詞,川口お直作曲。北州とは江戸吉原のこと。吉原の四季の風物を語る。《梅の春》と並ぶ,清元節の代表曲。

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