日本大百科全書(ニッポニカ) 「北山(京都市)」の意味・わかりやすい解説
北山(京都市)
きたやま
京都市の北部を囲む丹波(たんば)高地の南端部で、左京区、北区、右京区に含まれる。大部分が古生層からなり、鴨(かも)川の上流の高野(たかの)川・賀茂川、保津(ほづ)川の支流の清滝(きよたき)川が流下する。愛宕(あたご)山(924メートル)を最高とする500~700メートルほどの山地で、スギ、ヒノキなどの植林がよく発達し、ことに北区中川地区を中心に、高級建築材の「北山丸太」とよばれるスギの磨き丸太を産出する。
なお、東麓(とうろく)の鹿苑寺(ろくおんじ)(金閣寺)一帯は明治中期までは大北山村といい、室町時代には足利義満(あしかがよしみつ)の別業北山殿が営まれた。鹿苑寺は義満の死後北山殿の舎利殿(しゃりでん)(金閣)などが寺院になったものである。
[織田武雄]