北大西洋協力会議(読み)きたたいせいようきょうりょくかいぎ

百科事典マイペディア 「北大西洋協力会議」の意味・わかりやすい解説

北大西洋協力会議【きたたいせいようきょうりょくかいぎ】

North Atlantic Cooperation Council(略称NACC)。1991年11月8日,ローマで開かれた北大西洋条約機構NATO首脳会議設立が決まったNATO加盟16ヵ国とバルト三国を含むソ連東欧9ヵ国の外相による定期協議機関。同首脳会議で採択されたローマ宣言は,冷戦終結後のNATOとソ連・東欧との新たな協力時代を開く政治宣言で,NACCのほかに大使レベルでの定期協議や軍事・政治・経済関係委員会との定例会議なども盛り込まれた。NACCの第1回会合は1991年12月26日にNATO本部のあるブリュッセルで開催され,〈東西ヨーロッパ分断の歴史の終結〉を確認するとともに,同会議が〈一つの自由なヨーロッパ〉の安定を形成する政治・軍事的な新組織となることが確認された。また,ソ連の核兵器管理の監視の任務を担うことも合意された。その直後のソ連の崩壊により1992年1月にはソ連に代わりロシアを含む独立国家共同体CIS)11ヵ国が新たに加盟。1997年5月,欧州大西洋協力理事会(EAPC)に発展的解消し,第1回会合にはNATO非加盟28ヵ国を含めた44ヵ国が参加した。
→関連項目平和のための協力協定

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北大西洋協力会議」の意味・わかりやすい解説

北大西洋協力会議
きたたいせいようきょうりょくかいぎ
Nnorth Atlantic Cooperation Council; NACC

NATO諸国,旧ソ連 12ヵ国,旧ワルシャワ条約加盟国,バルト3国などのヨーロッパ 37ヵ国による対話協調,協力のための閣僚級協議機関。ポスト冷戦時代の東西協力に基づく緊急対応型の新しいヨーロッパの安全保障体制の建設を目指し,1991年 11月の NATOローマ首脳会議で設立を決定,同年 12月に最初の外相会議を開催した。冷戦後のヨーロッパにおける安全保障体制の中核的機関とも期待されるが,旧ソ連・東欧諸国からは NATOへの直接参加を求める声も強まっている。

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