北千島調査報文(読み)きたちしまちようさほうぶん

日本歴史地名大系 「北千島調査報文」の解説

北千島調査報文
きたちしまちようさほうぶん

一冊 北海道庁 明治三四年刊

解説 明治三三年六―七月の北千島諸島の調査報告。責任者道庁参事官拓殖課長高岡直吉の復命書である。明治二六年報効義会の占守島移住以来の動向や、明治一七年色丹島に移された北千島アイヌの状態、および北千島の状況視察を目的とした。本書の内容は(一)千島巡視日誌、(ニ)北千島諸島概況、(三)北千島諸島気候、(四)北千島植物、(五)北千島土人、(六)北千島漁業、(七)柬察加漁業、(八)色丹土人に関する調査及び意見、(九)報効義会に関する調査及び意見、(一〇)英人スノー著「千島列島編」訳。六名の随員中に事業手河野常吉がおり、本書の主要部分は河野の執筆分を基にしている。本復命書の要約として「風土気候ハ能ク移住ニ適ス」以下、農業・猟業・漁業について意見を述べ、北千島開拓の緊要性を強調した。昭和五〇年復刻。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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