北アメリカ航空宇宙防衛軍(読み)きたアメリカこうくううちゅうぼうえいぐん(英語表記)North American Air Defense Command; NORAD

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

北アメリカ航空宇宙防衛軍
きたアメリカこうくううちゅうぼうえいぐん
North American Air Defense Command; NORAD

略称ノラッド。北アメリカ連合防空軍とも呼ばれる。 1957年に設置された,アメリカ,コロラド州コロラドスプリングズのシャイアン山中,ピーターソン空軍基地にあるアメリカとカナダの共同防空機構で,統合宇宙司令部の一組織。おもなシステムには,(1) 衛星早期警戒システム SEWSとして,インド洋大西洋,太平洋上にそれぞれ早期警戒衛星,(2) 弾道ミサイル早期警戒システム BMEWS (→ビミューズ ) として,クレア (アラスカ) ,チューレ (グリーンランド) ,ファイリングデールズ (イギリス) にレーダー基地,(3) 宇宙・追跡システムとして,空軍レーダと光学追跡システム,(4) 周辺探索レーダ攻撃識別システム PARACSとして,グランドフォークス (ノースダコタ) に位相段列レーダ,(5) SLBM警戒用としてアメリカ本土東岸,南岸,西岸に PAVE/PAWSレーダ配備,(6) 爆撃機,巡航ミサイル警戒用として,アメリカ本土東岸,西岸に超水平線OTH-Bレーダ,(7) 遠距離早期警戒網 DEW (→デュー ) として,アラスカからグリーンランドにかけてレーダ基地 31ヵ所,(8) このほか防空用として,空軍,州兵空軍の戦闘機がある。冷戦の終了に伴い,組織の見直しが行われ,新たに麻薬密輸監視の任務が加えられた。

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