化縁(読み)けえん

精選版 日本国語大辞典 「化縁」の意味・読み・例文・類語

け‐えん【化縁】

〘名〙 仏語
衆生を教え導く因縁。化導の因縁。
日本往生極楽記(983‐987頃)弘也「鳴呼上人、化縁已尽、帰去極楽
仏菩薩教化を受ける衆生の側の力。教えが説かれるための、衆生の機縁をいう。機縁。
※伝光録(1299‐1302頃)龍樹尊者「人天すでに化縁つきん時も、悉く龍宮にをさまるべし」
仏縁を結ぶために、金品を差し出すこと。
※三体詩素隠抄(1622)三「さて冬も。世に出て。炭も化縁することも。なきぞ」
市井にあって法を説きながら施物を乞いあるく街坊化主(がいぼうけしゅ)異称

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「化縁」の意味・読み・例文・類語

け‐えん【化縁】

仏語。仏が衆生を教化きょうけする因縁。人々を仏道に教え導くきっかけ。

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