包括医療制度(読み)ほうかついりょうせいど

知恵蔵 「包括医療制度」の解説

包括医療制度

厚生労働省導入を検討している医療費の定額払い制度。米国の急性期入院定額払い方式(DRG/PPS)の日本版で、1998年からの国立病院、2003年からの大学など特定機能病院で試行が始まった。病名や重症度で最大支払額を決めておき、病院がその額以上の出費をしても保険から支払わない。病院の経営感覚が進み、医療費全体の節約効果が大きい、といわれる。日本の試行は急性病の入院治療に限られ、手術などは枠外とし、大幅な収入減がないよう病院ごとの調整をした。将来的には導入の可能性が高いが、病名分類や運用ではまだまだ問題が多い。

(田辺功 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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