勾玉∥曲玉(読み)まがたま

世界大百科事典 第2版 「勾玉∥曲玉」の意味・わかりやすい解説

まがたま【勾玉∥曲玉】

湾曲した体の一端に近く緒をとおすをうがった玉。湾曲した形を〈まがたま〉と名づけたのであろう。《日本書紀》は勾玉と記し,《古事記》は曲玉の字を用いる。はじめ曲玉の字をあてたが,曲には曲直などの熟語にみるように悪い意味もあるので,勾玉に改めたという説が有力である。便宜上,孔のある部分を頭,他の端をとし,それにしたがって,湾曲した体の内側を腹,外側を背と呼ぶ。ひいては,頭端に3~4条の線を刻んだものを〈丁字頭(ちようじがしら)勾玉〉という。

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世界大百科事典内の勾玉∥曲玉の言及

【玉】より

…美しい光沢のある特殊な材料をさす場合にも,その材料で作った装身具などの製品をさす場合にも用いる。珠とも書く。材料としての〈たま〉には,硬玉,軟玉などの玉(ぎよく)のほかに,水晶,ザクロ石,メノウ,碧玉,トルコ石,コハク,埋木(うもれぎ)などの各種の鉱物から,真珠,サンゴなどの動物性のものも含まれる。ただし,何を〈たま〉のうちにいれるかは,時代や地域によってちがいがあり,科学的な成分のほかに,希少性にもとづく価値と,習慣による需要とが,その選定の大きな要因になっている。…

※「勾玉∥曲玉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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