勧賞(読み)カンショウ

デジタル大辞泉 「勧賞」の意味・読み・例文・類語

かん‐しょう〔クワンシヤウ〕【勧賞】

[名](スル)《「かんじょう」とも》褒美などを与えて励ますこと。ほめて引き立てること。けんじょう。「勧賞すべき功績

けん‐じょう〔‐ジヤウ〕【勧賞】

《「けんしょう」「かんじょう」「けじょう」とも》功労を賞して官位物品土地などを授けること。
後陣の勢の続かざらんに、先駆けたらん者は、―あるまじき由」〈平家・九〉

け‐じょう〔‐ジヤウ〕【勧賞】

けんじょう」の撥音の無表記。
「このたびの―には伊予国一箇国を申し預け奉る」〈幸若腰越

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精選版 日本国語大辞典 「勧賞」の意味・読み・例文・類語

けん‐じょう ‥ジャウ【勧賞】

〘名〙 (「けん」は「勧」の漢音。「けんしょう」とも) 功労を賞して官位や土地、物品などを賜わること。論功行賞。かんしょう。かんじょう。けじょう。
※中右記‐嘉保二年(1095)四月一五日「賀茂行幸上下社司勧賞、上社司九人〈略〉下社司五人〈略〉已上十四人陪加一階
※高野本平家(13C前)九「後陣の勢のつづかざらんに、さきかけたらん者は、勧賞(ケンジャウ)あるまじき由」
[補注]呉音読みの「クヮンシ(ジ)ャウ」、漢音読みの「ケンジ(シ)ョウ」が見られるが、「日葡辞書」では「ケンジョウ」をより正しい本来の形、「クヮンジョウ」を通音とする。

かん‐しょう クヮンシャウ【勧賞】

〘名〙 (「かんじょう」とも) 奨励しほめること。功績のある人に物などを与えてほめはげますこと。褒賞。けんじょう。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
※寛永版曾我物語(南北朝頃)五「『〈略〉功名の人はくゎんしゃうあるべし。忠節を励ませとの御諚』とて」 〔宋書‐杜慧度伝〕

け‐じょう ‥ジャウ【勧賞】

〘名〙 「けんじょう(勧賞)」の撥音「ん」の無表記。
※幸若・大臣(室町末‐近世初)「大臣が此度のけしゃうには、つくし国司をとらするぞ」

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普及版 字通 「勧賞」の読み・字形・画数・意味

【勧賞】かんしよう

励ます。

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