勤務評定闘争(読み)きんむひょうていとうそう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「勤務評定闘争」の意味・わかりやすい解説

勤務評定闘争
きんむひょうていとうそう

教員に対する勤務評定をめぐる闘争で,1958年以降保守対革新の大きな政治問題となった。勤務評定は本来,国家,地方の両公務員法,人事院規則に基づき,公務員の職務に対する貢献度や能力を評定する制度である。岸内閣はこれを日教組弱体化,分断政策として実施を強行,日教組を中心に教育界が差別政策だとして反対闘争を展開したため,長期にわたって保革の重大な争点となった。地方によって神奈川方式のような妥協も試みられたが,一斉休暇闘争などが法廷で争われる勤評裁判に発展したケースも多い。最近は,地方自治体と教組側の歩み寄りで闘争が鎮静し,勤務評定が現実化または形式化している。

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