朝日日本歴史人物事典 「勝能進(初代)」の解説
勝能進(初代)
生年:文政3(1820)
幕末明治期の歌舞伎狂言作者。本名高田文助。江戸生まれ。作者名として繁河長治,竹柴諺蔵,2代目勝諺蔵などを継ぎ,能進を経て最後は河竹能進を名乗った。浄瑠璃の寄席へ出たり,戯作者の門に入ったりしたが,2代目河竹新七(のちの黙阿弥)の門に入って歌舞伎狂言作者となった。嘉永7(1854)年の河原崎座が初出勤。明治4(1871)年に大阪に下って,上方劇界の第一人者として活躍した。江戸時代には脚色を禁じられていた桜田門の変を題材とした「桜田雪誠忠美談」ほか,「柳生流伊賀水月」「小笠原流礼忠孝」などが代表作。<参考文献>伊原敏郎『明治演劇史』
(諏訪春雄)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報