勝楽寺(読み)しょうらくじ

精選版 日本国語大辞典 「勝楽寺」の意味・読み・例文・類語

しょうらく‐じ【勝楽寺】

滋賀県犬上郡甲良町にある臨済宗建仁寺派の寺。山号慶雲山。暦応四年(一三四一佐々木高氏(道誉)が創建開山は雲海。永祿年間(一五五八‐七〇織田信長兵火により堂宇焼失。江戸初期、彦根藩主井伊直孝が再建した。正楽寺

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日本歴史地名大系 「勝楽寺」の解説

勝楽寺
しようらくじ

[現在地名]甲良町正楽寺

勝楽寺山麓にある。慶雲山と号し、臨済宗建仁寺派。本尊十一面観音。

〈近江・若狭・越前寺院神社大事典〉

〔京極家祈願所〕

暦応四年(一三四一)京極導誉が京都東福寺五世山叟慧雲の法嗣雲海正覚を屈請して開山としたというが、建武元年(一三三四)に導誉が中興したともされる。以後京極家祈願所として勢力をもった。導誉は建武四年頃に京極家代々の本拠地であった坂田さかた柏原かしわばら(現滋賀県山東町)から当地に移住し、背後の山に城を築き、麓に居館を造った。当寺は前方に池を構え、背後に山を負い、要害の様をうかがわせる。その後は京極氏菩提寺として、京極氏の盛衰とともに推移したと思われる。

勝楽寺
しようらくじ

[現在地名]湯浅町別所

別所べつしよの中央部にある。白方山と号し、西山浄土宗。本尊阿弥陀如来。草創は明らかでないが、藤原時代の阿弥陀如来坐像(木造、高さ七尺四寸)・薬師如来坐像(木造、高さ三尺四寸)・地蔵菩薩坐像(木造、高さ八尺八寸)と鎌倉時代の釈迦如来坐像(木造、高さ三尺四寸)および藤原時代の四天王立像があり(いずれも国指定重要文化財)、平安初期の古瓦も残るところからみて、有田ありだ郡内有数の古刹である。承元四年(一二一〇)四月、民部卿長房が熊野下向の時、白方しらかた宿所で明恵と対談しているが(上山本「高山寺明恵上人行状」)、当寺の可能性がある。

勝楽寺
しようらくじ

[現在地名]吉良町小山田 稠

小山田おやまだの北に連なる幡豆山地の中のとびみね山腹にある。万照山と号し、曹洞宗。本尊子安地蔵菩薩。延元三年(一三三八)足利尊氏の創建という。もと真言宗。天正(一五七三―九二)の頃荒廃したが、曹洞宗の僧法恩玄作により再興

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世界大百科事典(旧版)内の勝楽寺の言及

【佐々木高氏】より

…なお《立花口伝之大事》が道誉撰の奥書をもつが,これは疑わしい。近江甲良荘に道誉みずからが菩提寺として創建した勝楽寺には,道誉71歳の寿像(自賛がある)を蔵する。【熱田 公】。…

※「勝楽寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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