動脈管(読み)ドウミャクカン

デジタル大辞泉 「動脈管」の意味・読み・例文・類語

どうみゃく‐かん〔‐クワン〕【動脈管】

胎児期にみられる、肺動脈大動脈をつなぐ血管胎児は肺で呼吸をしていないため、右心室から肺動脈に送り出される血液大部分は、肺を通らず、動脈管を通って直接大動脈に流れ、全身に送られる。出生後、肺呼吸が始まると自然に閉鎖し、動脈管索と呼ばれる結合組織性の索となる。発見者の名からボタロー動脈管ボタロー管ともいう。→胎児循環動脈管開存症

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「動脈管」の意味・わかりやすい解説

動脈管
どうみゃくかん
arterial duct; ductus arteriosus

ボタロ管ともいう。胎生期に肺動脈と大動脈を直結している管。胎児の肺は呼吸作用を行わないので,右心室から出た血液の大部分は肺を通らず,この動脈管を通って大動脈に直接流入する。ほとんどの場合,動脈管は生後1ヵ月以内に自然に閉鎖し,動脈管靭帯となる。ボタロイタリア外科医 (1530~?) 。 (→胎循環 )

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世界大百科事典(旧版)内の動脈管の言及

【ボタロ管】より

…哺乳類の胎児の肺動脈と大動脈弓とを連絡する動脈。イタリアの医師ボタロLeonardo Botallo(1530‐71)が発見したのでこの名があり,ボタロ動脈管あるいは単に動脈管ともいう。胎生期には肺が活動していないので,右心室から肺動脈に流出した血液を肺に送らずに大動脈に放出して,大循環に利用する役目をもっている。…

※「動脈管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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