精選版 日本国語大辞典 「動物記」の意味・読み・例文・類語
どうぶつき【動物記】
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アメリカの動物文学作家シートンの著作集。最初のまとまった著作である『私の知っている野生動物』Wild Animals I Have Known(1898)以後、『大灰色グマの伝記』The Biography of a Grizzly(1900)、『動物の英雄たち』Animal Heroes(1905)など、およそ30編が選ばれている。いずれの作品も深い博物学の知識に裏づけられているが、単なる生活記録ではなく、個性をもった野生動物をかなり擬人化して描いている点に特色がある。また多くの主人公は悲劇的結末を迎えるが、これは著者の動物に対する愛情と自然保護の念が表現されていると考えられる。動物文学としてはファーブルの『昆虫記』と並び、日本では翻訳も多い。
[八杉貞雄]
『内山賢次訳『動物記』全9冊(角川文庫)』
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