勇払平野
ゆうふつへいや
北海道南西部、千歳(ちとせ)市、苫小牧(とまこまい)市、勇払郡にわたる平野。湿地や泥炭地を多く含み、勇払原野ともいう。北海道の胴体部と半島部を切り離していた浅海が陸化したもので、ウトナイト沼、弁天沼、遠浅(とおあさ)沼などの海跡湖が残されている。有珠(うす)、樽前(たるまえ)系の火山灰が降下して何層にも堆積(たいせき)し、安平(あびら)川、厚真(あづま)川の沖積が進み、沿岸潮流による浜堤列もみられるが、低生産性で土地条件はよくない。米作、酪農などの開拓も進んできたが、苫小牧工業港の建設でその後背地となり、商社、工場、および住宅の進出が著しい。さらに苫小牧東部地区開発の進行で、農耕地は火力発電所、石油備蓄基地、大型自動車工場用地に変わってきている。
[奈良部理]
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勇払平野【ゆうふつへいや】
北海道南部の原野。苫小牧(とまこまい)市街の北から東に広がり,内陸部は火山灰地,太平洋岸には泥炭地が多い。交通に恵まれるが開発は遅れ,近年,低湿地で排水,客土などの土地改良が行われている。ジャガイモ,麦を産し,畜産も行われる。東部には石油備蓄基地がある。
→関連項目ウトナイ湖|北海道
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デジタル大辞泉
「勇払平野」の意味・読み・例文・類語
ゆうふつ‐へいや【勇払平野】
北海道南西部にある平野。泥炭地の沖積平野で太平洋に面する。中心は苫小牧市で、総合開発によって工業地帯になっている。東部の勇払原野にはウトナイ湖がある。
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ゆうふつへいや【勇払平野】
北海道南部,苫小牧市東部に広がる平野。石狩勇払低地帯の南部に当たり,低湿で泥炭地を多く含むため勇払原野あるいは札幌勇払低地帯ともよばれる。その範囲は北部の苫小牧市植苗地区を頂点に,西部の苫小牧市街から東部の鵡(む)川河口にいたる太平洋岸を底辺とする三角形状の地域で,海跡湖と思われるウトナイ湖,弁天沼,遠浅湖,安藤沼などが点在する。勇払川,安平(あびら)川,厚真(あつま)川などが南流し,これらの河川によって背後の台地面の開析が進み,運搬物により海岸線に並行して砂丘や浜堤列が形成されている。
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