勃起不全治療剤(読み)ボッキフゼンチリョウザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「勃起不全治療剤」の解説

勃起不全治療剤

製品名
《バルデナフィル塩酸塩水和物製剤》
レビトラ(バイエル薬品
《シルデナフィルクエン酸塩製剤》
シルデナフィル(あすか製薬、アルフレッサファーマ、キッセイ薬品工業、シオノケミカル、大興製薬、武田薬品工業、辰巳化学、武田テバファーマ、富士化学工業、本草製薬、陽進堂)
シルデナフィルOD(東和薬品
バイアグラファイザー
バイアグラOD(ファイザー)
《タダラフィル製剤》
シアリス(日本イーライリリー、日本新薬)

 陰茎海綿体いんけいかいめんたい血管平滑筋けっかんへいかつきんをゆるめることによって陰茎への血液量を増やし、海綿体の内圧を高める作用があり、勃起不全ぼっきふぜん(満足な性行為を行うのに十分な勃起とその維持ができない)に用いられる男性用機能障害治療剤です。タダラフィル製剤は、作用時間が長く、食事の影響を受けにくい薬です。


発疹ほっしん、かゆみなどの過敏症状をおこすことがあります。タダラフィル製剤では、じんましん、顔面浮腫、剥脱性皮膚炎、皮膚粘膜眼症候群などの過敏症が現れることがあります。過敏症状がおこったときは使用を止め、すぐ医師に相談してください。


頭痛、ほてり、動悸どうき不整脈めまい、無気力、記憶力低下、興奮、不眠下痢げり消化不良、胃痛、胃部膨満感、口内乾燥、視覚障害、鼻づまり、鼻炎、咽頭炎、副鼻腔炎、陰茎の疼痛とうつう、半勃起状態の持続、射精障害、疲労感、筋肉痛、血中尿酸値の上昇、尿蛋白・尿糖の陽性反応などが現れることがあります。


 このような症状が現れたときは、医師に相談してください。


錠剤で、性行為の約1時間前に服用します。服用間隔は、24時間以上とします。


 服用するときは、十分な水(コップ1杯以上)で飲んでください。


②あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの体質、現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。


③過去にこの薬で過敏症状をおこしたことのある人、硝酸剤しょうさんざいあるいは一酸化窒素供与剤いっさんかちっそきょうよざいニトログリセリン亜硝酸あしょうさんアミル、硝酸イソソルビドなどの内服剤、外用剤、注射剤)、ニコランジル製剤・ニプラジロール製剤・抗不整脈剤(ジソピラミド製剤)・アミオダロン塩酸塩製剤を使用している人、心臓血管に障害のある人、重い肝・腎機能障害や低血圧症(収縮期血圧90mmHg以下、拡張期血圧50mmHg以下)の人、治療によって管理が行われていない高血圧症(安静時収縮期血圧170mmHg以上、または安静時拡張期血圧100mmHg以上)の人、脳梗塞のうこうそく脳出血心筋梗塞しんきんこうそくなどが最近6か月以内におこった人、網膜色素変性症もうまくしきそへんせいしょうのある人には、この薬は使用できません。


 そのほかにバルデナフィル塩酸塩水和物製剤は、先天性のQT延長、クラスⅠA(キニジンプロカインアミドなど)またはクラスⅢ(アミオダロン、ソタロールなど)の抗不整脈剤、リオシグアト、リトナビル、インジナビル、アタザナビル、サキナビルメシル酸塩、ホスアンプレナビル、ロピナビル・リトナビル、オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル、ダルナビル、テラプレビル、ケトコナゾール(外用剤を除く)、イトラコナゾール、コビシスタットを含有する製剤)を使用中の人は、この薬を使用できません。


タダラフィル製剤は、心臓や血管に障害のある人、不安定狭心症、性交中の狭心症を発現したことのある人、コントロール不良の不整脈や高血圧症がある人、低血圧症の人、3か月以内に心筋梗塞をおこした人、脳梗塞や脳出血が最近6か月以内におこった人、重い肝機能障害のある人、網膜色素変性症のある人、硝酸剤やリオシグアト製剤を使用中の人はこの薬を使用できません。あらかじめ医師にその旨を報告してください。


④重いじん障害、肝障害、陰茎に構造上の欠陥のある人、多系統萎縮症、持続性勃起症の素因(鎌状赤血球性貧血かまじょうせっけっきゅうせいひんけつ多発性骨髄腫たはつせいこつずいしゅ、白血病など)のある人、勃起不全でほかの薬を使用している人、降圧剤やカルペリチド製剤、タムスロシン塩酸塩製剤・ナフトピジル製剤を使用中の人、外科的処置を受けた人、出血性の病気または消化性潰瘍かいようのある人、65歳以上の高齢者などは、思わぬ副作用がおこることもあるので、使用にあたっては十分な注意が必要です。


⑤めまいや視覚障害がおこることがあるので、この薬を使用中は、自動車運転や危険を伴う作業などには十分注意してください。


⑥ほかの薬を使用する必要が生じたときは、必ず医師に相談してください。


⑦この薬を用いての性行為は、無理のないようにしてください。


 また、パートナーにはこの薬を服用していることを伝えてください。


⑧この薬は治療剤ですが、生活の質を改善することを目的としている性質上、健康保険の対象外となっています。したがって、医師の処方は必要ですが、費用は全額自己負担となります。また、これにかかわる検査費、診療費も全額自己負担となります。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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