労学会(読み)ろうがっかい

百科事典マイペディア 「労学会」の意味・わかりやすい解説

労学会【ろうがっかい】

1917年友愛会野坂参三らの提唱により,労働・社会問題の研究と労働者・学生接触を目的とし,東京の友愛会会員と大学・高専の学生で結成。1918年社会問題研究会と改称したが,会の急進化をおそれた会長鈴木文治(友愛会会長)の消極的姿勢により間もなく解体。その直後京都河上肇を中心に友愛会会員と京大の学生等により新たな労学会が結成されたが,1920年京大生のメーデー参加計画が発覚して解散を命じられた。

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世界大百科事典(旧版)内の労学会の言及

【学生運動】より

…その背景には第1次大戦による国内資本主義の成長と半封建的生産関係の危機,世界的なデモクラシーの潮流とロシア革命の成功などの多様な要素から影響を受けて勢力を伸張した社会主義・共産主義思想の浸透があった。1917年には野坂参三(鉄)の主唱で,社会問題に関心をもつ東京の大学・高専学生と友愛会員とからなる研究会,労学会が結成された(京都では1918年結成)。東京帝国大学の社会科学の研究あるいは社会運動に志をもつ有志の集りである新人会は,当初佐野学らの卒業生,渡辺政之輔らの労働者を含んではいたものの,学生を中心としたはじめての団体であった。…

※「労学会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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