労働新聞(読み)ろうどうしんぶん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「労働新聞」の意味・わかりやすい解説

労働新聞
ろうどうしんぶん

北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国)の朝鮮労働党中央委員会機関紙。1945年11月1日、朝鮮共産党北部朝鮮分局機関紙『正路』として創刊日刊で休刊日はない。北朝鮮憲法では国家に対する朝鮮労働党の優位性が担保されていることからわかるように、政府機関紙『民主朝鮮』よりも権威が高いとみなされ、記事内容は公式発表として扱われる。

 朝鮮中央通信や朝鮮中央テレビなど主要メディアと同じく朝鮮労働党宣伝扇動部の傘下にある。職場ごとに『労働新聞』の主要な記事を読む「読報」会が開かれ、国民には事実上講読の義務が課せられている。

 通常は6面構成であるが、党大会など大きな政治的イベントが開催されたときなどはページ数が増えるほか、ムックのような「付録」が発行されることもある。2011年にはウェブサイト(rodong.rep.kp)も開設された。金日成(キムイルソン)政権時より主要な記事にはカラー写真が掲載されることもあるが、印刷や紙の質は国内向けと国外向けで異なり、後者のほうが良質である。ブランケット判で、すべてハングルによる横書き

[礒﨑敦仁 2020年2月17日]

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改訂新版 世界大百科事典 「労働新聞」の意味・わかりやすい解説

労働新聞 (ろうどうしんぶん)

朝鮮労働党中央委員会の機関紙で,朝鮮民主主義人民共和国の代表的な日刊新聞。1946年9月北朝鮮労働党の成立ともない,北朝鮮共産党機関紙《正路》が朝鮮新民党機関紙《前進》を統合して発足した。朝鮮戦争以後は漢字を全廃し,横書きの体裁をとっている(漢字を使っていた時期の原題号は《労動新聞》)。国際問題等について共和国の公式見解が無署名の論説の形で掲載されることが多く,政府機関紙《民主朝鮮》より重要である。なお,国外で読める新聞としてはほかに英字紙《The Pyongyang Times》等があり,また朝鮮中央通信社があって《朝鮮中央年鑑》を刊行している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「労働新聞」の意味・わかりやすい解説

労働新聞
ろうどうしんぶん

北朝鮮の代表的新聞。朝鮮労働党中央委員会機関紙として 1945年創刊。8ページ立ての朝刊

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デジタル大辞泉プラス 「労働新聞」の解説

労働新聞

日本労働党が発行する機関紙。

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世界大百科事典(旧版)内の労働新聞の言及

【大杉栄】より

…その後,保子と別れ,野枝と一緒になる。18年亀戸の労働者街に移住し,野枝と《文明批評》(1~3月)を,和田久太郎,久板卯之助らと《労働新聞》(4~7月)を創刊。第1次大戦後,労働運動が高まっていくなかで,自主自活的労働の促進を目的とする《労働運動》を19年に近藤憲二,和田,久板らと創刊する。…

【評議会】より

…26年末に総同盟など右派の脱退によって労農党が分裂した後は,日本農民組合とともに同党の支柱となった。機関紙《労働新聞》は評議会結成前の25年1月,総同盟関東地方評議会の機関紙として創刊され,はじめ月刊,後に月2回刊で28年3月まで通算61号刊行された。【二村 一夫】。…

※「労働新聞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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