労働寄生(読み)ロウドウキセイ

デジタル大辞泉 「労働寄生」の意味・読み・例文・類語

ろうどう‐きせい〔ラウドウ‐〕【労働寄生】

寄生種が宿主から直接栄養などを取らず、宿主が取った餌を横取りすること。カッコウ類の托卵社会性昆虫に見られる社会寄生も、広義の労働寄生と見なす場合がある。

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世界大百科事典(旧版)内の労働寄生の言及

【寄生】より

…それをも寄生というのであれば,リカオンの獲物を横取りするブチハイエナや海鳥から魚を横取りするトウゾクカモメ,カッコウなど托卵性(英語ではbrood parasitism,つまり抱卵寄生という)の鳥,アリの巣に住んで貯蔵食料を盗む甲虫,さらにはアリの巣に運び込まれて養われる甲虫やシジミチョウ類の幼虫,奴隷狩りをして他種のアリに食物採集や子どもの世話をさせるサムライアリ,その他さまざまな例がここに入ることになる。それらに対して社会寄生・労働寄生などの概念が提案されている。 植物の植物に対する寄生としては,さまざまな菌類・細菌・ウイルスなどがあるが,寄生性の高等植物も知られている。…

【昆虫】より

…膜翅目において寄生バチがしだいにカリウドバチに変わり,さらに社会性まで出現させた原因は,この捕食寄生性にある。最後に労働寄生があげられる。これは他種のなした労働(集めた食物やつくった巣など)を横取りする現象で,膜翅目で全動物中最高の発達を遂げた。…

※「労働寄生」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」