助教(読み)ジョキョウ(英語表記)assistant professor

デジタル大辞泉 「助教」の意味・読み・例文・類語

じょ‐きょう〔‐ケウ〕【助教】

大学・高等専門学校の教員職階の一。准教授の下。平成17年(2005)の学校教育法改正で新設。「専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の知識及び能力を有する者であって、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する」と規定される。平成19年(2007)4月施行。→助手
教授・教諭を補佐する役。また、その人。
「舌氏始め郷塾にありて―たり」〈中村訳・西国立志編
律令制大学寮の官の一。博士を助けて教授や課試に当たった。定員2名。正七位下相当官。助博士すけはかせ
[類語]教授コーチ先生師匠指南役師範宗匠師父教師教員教諭教官講師ティーチャープロフェッサーチューターインストラクター尊師恩師旧師先師名誉教授・客員教授・助教授准教授講師助手

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精選版 日本国語大辞典 「助教」の意味・読み・例文・類語

じょ‐きょう ‥ケウ【助教】

〘名〙
令制の大学寮で、博士を助けて授業や課試にあたった官人で、明経科にのみ置かれていた。定員二名で、正七位下相当。すけはかせ。
令義解(833)職員「助教二人。〈掌同博士〉」
② 教授や教諭の職務を補佐する役目。また、その人。
※西洋学校軌範(1870)〈小幡甚三郎訳〉普魯士学校「扨大学校の教授人並助教の員数は甚しく増加し」 〔柳宗元‐四門助教庁壁記〕

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大学事典 「助教」の解説

助教
じょきょう

2005年(平成17)の学校教育法改正(2007年4月1日施行)によって,新たに設けられた職階で,その職務は同法92条で「専攻分野について,教育上,研究上又は実務上の知識及び能力を有する者であつて,学生を教授し,その研究を指導し,又は研究に従事する」と規定されている。それまでの助手が,教育研究を主たる職務とするか,または教育研究補助を主たる職務とするかが必ずしも明瞭ではないことから,助手のうち自ら教育研究を行うことを主たる職務とする者について,その職務に相応する位置付け(職名,職務内容等)として助教が学校教育法上に設けられたものである。助教の資格として大学設置基準は,基本的に修士・専門職学位以上の学位を有し,教授等と同様に大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有することを求めている。
著者: 大場淳

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

知恵蔵 「助教」の解説

助教

准教授」のページをご覧ください。

助教

日本の大学教員の職階は、学校教育法によって教授、助教授、助手(及び大学の判断によって講師)となっていた。このうち助手の職務は教授、助教授を補助すると規定されているだけで、位置付けが曖昧であった。文部科学省は学校教育法の改正(2007年4月施行)によって、助教を設けると共に、現在の助教授を準教授(Associate Professor)とすることとした。助教は独立に授業を担当でき、教員の一員として数えられることになる。現在の助手のうち、教育を担当するものを助教とすることができるが、教育研究の補助を主な業務とするものは助手の名称を引き続き用いる。

(金子元久 東京大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

世界大百科事典(旧版)内の助教の言及

【学校】より

…大量の教育の普及には,生徒を有効に編成し,教育の効果をあげなければならなかった。イギリスのベルAndrew Bell(1753‐1832)とランカスターJoseph Lancaster(1778‐1838)は,数百人の生徒を集めた学校で,祈禱・朗唱などは一人の教師が指導し,進度に応ずる必要のある科目の場合はいくつかのグループに分け,学力の高い年長者を助教monitorとして指導にあたらせる方式をとり,これがベル=ランカスター方式(またはモニトリアル・システム)と呼ばれ,産業革命以後に採用された。しかし義務教育の普及とともに組織だった教員養成がすすみ,数十人の学級編成がとられるようになったが,一斉指導の方式は引き継がれた。…

※「助教」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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