加須市(読み)カゾシ

デジタル大辞泉 「加須市」の意味・読み・例文・類語

かぞ‐し【加須市】

加須

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日本歴史地名大系 「加須市」の解説

加須市
かぞし

面積:五九・四〇平方キロ

県の北東部に位置し、東西一三・八キロ、南北一三キロに広がる。北は利根川を境に群馬県邑楽おうら板倉いたくら町・北埼玉郡北川辺きたかわべ町、東は同郡大利根おおとね町、北葛飾郡栗橋くりはし町・鷲宮わしみや町、南は久喜市・南埼玉郡菖蒲しようぶ町・北埼玉郡騎西きさい町、西は行田ぎようだ市・羽生はにゆう市。市域の大部分はきわめて平坦な沖積低地で、標高一〇―二〇メートル余にすぎない。地質学的には関東構造盆地のほぼ中心部にあたり、現在でも沈降が続き造盆地運動が進んでいるといわれる。市域付近は関東平野の地下地形のちょうどなべ底にあたる。今でも自然堤防・河畔砂丘や後背湿地跡が多くみられ、利根川などの河道の変遷・乱流などの跡をしのぶことができる。中央部を南東方に流れるあいの川を境に、市域は北部地域と南部地域に二分される。北部地域は北辺の利根川と会の川との間を羽生北方ほつぽう用水と南方なんぽう用水が流れ、それらの余水を中谷なかや堀・槐堀さいかちぼり川などに落して、しま(中川)に集めて流下させるとともに、手子堀てこぼり川なども島川に合流する。午の堀うまのほり川は羽生市南部の町屋まちや八幡はちまん地内を基点とし、当市正蓮しようれん伏越で葛西かさい用水と立体交差して大利根町で島川に合流する。排水路としての役割が強いが、岡古井おかふるいにある樋の口ひのくち堰より上流では用水にも利用される。一方、南部地域は中央を騎西領きさいりよう用水(新川用水路)が流れ、余水は青毛堀あおげぼり川・そん落堀・はつそん落堀に集められ、それぞれ流末は古利根川に落ちる。各河川は、ほぼ北西から南東に市域を横断するように流れている。市の成立は昭和二九年(一九五四)、市名は近世に市域の中心であった加須村(町)による。

〔原始〕

市内最古の土器は縄文時代早期のもので、水深みずふか遺跡から夏島式などの破片が数片出土した。この頃気候は温暖で海面が上昇し、縄文時代前期になると久喜市から栗橋町付近まで海岸線が北上したといわれる。市域は広い湿地帯となり、生活の場も狭まり、前期の遺跡は水深遺跡にわずかに認められるにすぎない。縄文時代中期になると海退が速くなり、沖積低地は陸地化していったが、沼や湿地も数多く残された。人々は微高地や自然堤防上に生活の場を広げていった。礼羽の千方らいはのちかた神社南の遺跡から阿玉台式土器や石皿が出土している。また水深遺跡からは勝坂式・阿玉台式・加曾利E式土器などとともに、打製石斧・石皿などの石器も出土し、前代に続いて生活の舞台となっていた。その後いったん退いた海が、縄文時代後期から晩期にかけて現岩槻市・川口市辺りまで進み、晩期には再び南に退いた。

加須市
かぞし

2010年3月23日:加須市と北埼玉郡北川辺町・大利根町・騎西町が合併
【北川辺町】埼玉県:北埼玉郡
【大利根町】埼玉県:北埼玉郡
【騎西町】埼玉県:北埼玉郡
【加須市】埼玉県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「加須市」の意味・わかりやすい解説

加須〔市〕
かぞ

埼玉県北東部,利根川元荒川に挟まれた低湿な平野に位置する市。1954年加須町,不動岡町の 2町と三俣村,礼羽村大桑村,水深村,樋遣川村,志多見村の 6村が合体して市制。1957年大越村を編入。2010年騎西町,北川辺町,大利根町と合体。中心市街地の加須は西の中山道と東の日光街道とを結ぶ脇往還宿場町および市場町として発達。県下最大の穀倉地帯で,米作のほかナス,キュウリなどの野菜栽培が行なわれる。青縞織の集積地として繁栄し,鯉幟,柔道・剣道用具が古くから製造される。1970年代に入ってから県営加須工業団地ができ,自動車部品,サッシ,紙,化学などの工場が立地。県立水産試験場のほか,中心市街地の西部の不動岡には関東三大不動の一つ,不動ヶ岡不動尊がある。東武鉄道伊勢崎線,国道122号線,125号線が通り,東北自動車道の加須インターチェンジがある。面積 133.30km2。人口 11万1623(2020)。

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