加藤武雄(読み)かとうたけお

精選版 日本国語大辞典 「加藤武雄」の意味・読み・例文・類語

かとう‐たけお【加藤武雄】

小説家神奈川県に生まれる。人道主義的傾向の農民小説を書き、のち通俗小説に転じる。代表作「土を離れて」「郷愁」「久遠の像」など。明治二一~昭和三一年(一八八八‐一九五六

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「加藤武雄」の意味・わかりやすい解説

加藤武雄
かとうたけお
(1888―1956)

小説家。神奈川県津久井郡川尻(かわしり)村(現、相模原(さがみはら)市緑(みどり)区)に生まれる。村の郵便局の事務員をしながら検定で小学校准教員の免許状をとり、神奈川県下の小学校教員を8年ほど勤める。1910年(明治43)上京、新潮社に入り『新潮』や『文章倶楽部(くらぶ)』の編集のかたわら創作に打ち込み、『郷愁』(1919)で認められた。続いて『夢見る日』(1920)、『処女の死』(1921)などの短編集を出し、郷土色豊かな作風を示した。同時に農民文学の理解者として自らも『土を離れて』(1925)など農民小説を書く。『久遠(くおん)の像』(1922~23)の通俗小説もある。

[関口安義]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「加藤武雄」の解説

加藤武雄 かとう-たけお

1888-1956 大正-昭和時代の小説家。
明治21年5月3日生まれ。44年新潮社にはいる。「文章倶楽部(クラブ)」などの編集のかたわらかいた「郷愁」でみとめられ,農民文学作家として活躍。昭和2年農民文芸会を組織。のち通俗小説,少女小説に転じた。昭和31年9月1日死去。68歳。神奈川県出身。作品ほかに「悩ましき春」など。

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