加水分解定数(読み)カスイブンカイテイスウ

化学辞典 第2版 「加水分解定数」の解説

加水分解定数
カスイブンカイテイスウ
hydrolysis constant

弱塩基強酸(または弱酸強塩基,弱塩基と弱酸)の中和で生じた塩の電離で生じる弱塩基の共役酸(または弱酸の共役塩基)が加水分解する反応の平衡定数.弱塩基 NH3 と強酸HClの中和で生じる NH4 は,

NH4 + H2O NH3 + H3O

加水分解を行う.加水分解定数を Kh とすれば,

KhcNH3 × cH3O/cNH4
一方,水溶液中での NH3電離定数

KbcNH4 × cOH/cNH3
水のイオン積Kw であるから,

KhKbKw
この関係は弱酸と強塩基の場合にも成り立つ.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の加水分解定数の言及

【加水分解】より

… CH3COO+H2O⇄CH3COOH+OHこのOHのため酢酸ナトリウムの水溶液はアルカリ性を示す。この化学平衡に質量作用の法則をあてはめると,と書け,Khが加水分解定数である。なお[H2O]は一定とみなされるので除いてある。…

※「加水分解定数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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