加持祈祷(読み)かじきとう

精選版 日本国語大辞典 「加持祈祷」の意味・読み・例文・類語

かじ‐きとう カヂキタウ【加持祈祷】

〘名〙 加持や祈祷。また、病気災難から身を守るために神仏に祈ること。
※歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)五立「類稀(たぐひまれ)なる御病根、典薬大医は申に不及、諸寺諸山加持祈祷」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「加持祈祷」の意味・読み・例文・類語

かじ‐きとう〔カヂキタウ〕【加持祈×祷】

一般に、病気・災難などをはらうために行う祈祷、または、その儀式。印を結び、真言を唱え、いくつかの象徴的器具を用いて行う。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

山川 日本史小辞典 改訂新版 「加持祈祷」の解説

加持祈祷
かじきとう

おもに世俗的な願望成就を目的に神仏に対して行われる密教の呪術的行為をいう。本来,加持と祈祷とは別義で,加持は加護の意で仏菩薩が人々を守り加護することを意味したが,とくに密教修法上の作法をいい,行者が手に諸仏諸尊の印契(いんげい)を結び(身密(しんみつ)),口に真言を唱え(口密(くみつ)),心も仏の心境に住する(意密)ことで,仏の三密と行者の三業(さんごう)が一体になると説いたことから,転じて密教で行う修法を意味するようになった。密教の隆盛した平安時代以降,もっぱら経文などの読誦(どくじゅ)により神仏に祈って利益(りやく)を期待する祈祷と同一視され併称されるようになった。日蓮宗も盛んに行い,修験者も積極的にとりいれたため,民間に深く浸透した。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android