普及版 字通 「力(漢字)」の読み・字形・画数・意味
力
常用漢字 2画
[字訓] すき・ちから・つとめる・はげむ
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
すきの形。〔説文〕十三下に「筋なり。人の筋の形に象る。功を治むるを力と曰ふ。能く大災を禦(ふせ)ぐ」とあり、筋字条四下に「の力なり」として、力を筋肉の力と解するが、力はすきの象形、耒(すき)は力(すき)をもつ形である。加・嘉・靜(静)はみな力(すき)を清める儀礼をいう。の卜文は、すきを踏む形に、昔(せき)声を加えた字。〔書、盤庚上〕に「穡(しよく)に力(つと)む」、金文の〔叔夷(しゆくいはく)〕に「靈力あること虎の(ごと)し」とあり、農耕はことに力を要することであった。
[訓義]
1. すき。
2. ちから、はたらき、能力。
3. つとめる、はげむ、てがら。
4. えだち、しもべ、つわもの。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕力 チカラ・ツトム・ハナハダシ・イソグ・ヒトトナル・ネムコロナリ 〔字鏡集〕力 アハス・モノ・イソグ・ヒトトナル・ネムコロナリ・ヲシム・ツトム・コハシ・スケ・ハナハダシ
[部首]
〔説文〕に勳(勲)・功・助・務・(勉)・勠・動・劣・勞(労)・加・(勇)・飭など三十九字と、〔新附〕に勢・勘など四字、〔玉〕にはすべて八十四字を属する。勳の初形は(爵)に従って軍功の意、には古く戈(か)に従う字形があった。力はすきの象形であるから、本来は農耕に関する字に用いる。
[声系]
〔説文〕に力声として勒・肋・・・など八字を収める。肋(ろく)は脅(あばら)の骨、(ろく)は地の理、(ろく)は水脈。すき以外の意味では、みな細長い状態のものをいう語とみられる。
[語系]
力lik、・仂lkは声近く、(ろく)は易筮の(めとぎ)を指にさして数えることで、細長いものを指にはさみもつ意。
[熟語]
力彊▶・力言▶・力説▶・力戦▶・力争▶・力闘▶・力量▶・力役▶・力稼▶・力学▶・力諫▶・力気▶・力勤▶・力倹▶・力健▶・力攻▶・力行▶・力耕▶・力作▶・力子▶・力士▶・力守▶・力食▶・力穡▶・力人▶・力正▶・力制▶・力勢▶・力政▶・力丁▶・力田▶・力能▶・力農▶・力薄▶・力伐▶・力弁▶・力勉▶・力来▶・力労▶
[下接語]
圧力・威力・意力・引力・火力・怪力・角力・格力・学力・活力・眼力・気力・脚力・弓力・協力・強力・極力・勤力・筋力・苦力・権力・功力・抗力・効力・合力・剛力・国力・骨力・詐力・才力・材力・財力・死力・詩力・資力・肆力・自力・実力・主力・衆力・重力・出力・助力・心力・身力・神力・人力・尽力・水力・勢力・精力・絶力・戦力・速力・他力・多力・体力・大力・胆力・弾力・地力・知力・智力・通力・努力・独力・念力・能力・馬力・迫力・非力・微力・畢力・筆力・富力・武力・風力・仏力・物力・奮力・兵力・勉力・法力・暴力・魔力・万力・魅力・妙力・民力・無力・目力・有力・勇力・余力・用力・戮力・膂力・料力・量力・労力・腕力
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報