前衛いけばな運動(読み)ぜんえいいけばなうんどう

世界大百科事典(旧版)内の前衛いけばな運動の言及

【いけばな】より

…戦後の急激ないけばなの近代化は,勅使河原蒼風,中山文甫,小原豊雲たちによって展開され,使用する素材の領域を拡大して鉄や石や鳥の羽根,貝などの無機物までを含めていけばなの造形活動を行った。前衛いけばな運動と呼ばれたこの運動は,当時の前衛美術と提携して出発したものだったが,やがてその政治性を否定していけばなはその芸術的側面においてのみ運動を続けた。しかも前衛いけばなの運動は数多くの作家を生みながら,しだいに流派組織の中に組みこまれ,流派はかえって前衛運動とは背反する中央集権的組織をつくりあげていった。…

【小原流】より

…光雲は1938年没し,その後を3代の小原豊雲が継承したが,豊雲の活躍は第2次大戦後において著しい。1946年に行った勅使河原蒼風との2人展についで,関西におけるグループ展のリーダーとして活躍,さらに〈三巨匠展〉において蒼風,中山文甫と造形作品を発表し,以後前衛いけばな運動を積極的に展開した。1954年には,はじめて流派組織の財団化を行って,62年清家清の設計により神戸に家元会館を建設し,75年には東京会館を建設した。…

※「前衛いけばな運動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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