則闕の官(読み)そっけつのかん

精選版 日本国語大辞典 「則闕の官」の意味・読み・例文・類語

そっけつ【則闕】 の 官(かん)

(「養老令」の「職員令」に「太政大臣一人〈略〉無其人則闕」とあるところから) 「だいじょうだいじん(太政大臣)」の異称
平家(13C前)一「其人にあらずは則(すなは)ち闕(か)けよ、といへり。されば即闕の官とも名付たり」

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デジタル大辞泉 「則闕の官」の意味・読み・例文・類語

そっけつ‐の‐かん〔ソクケツ‐クワン〕【則×闕の官/即×闕の官】

《「養老令」職員令の「太政大臣一人、…其の人なければ則ちく」から》太政大臣だいじょうだいじんの異称。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「則闕の官」の解説

則闕の官
そっけつのかん

大宝・養老令制の太政大臣のこと。養老職員令の太政官条に「其の人無くんば,則ち闕く」とあることにもとづく。太政大臣は分掌の職ではなく,天皇を補佐して国事全般を行うため,徳の高い者が現れるのを待ってはじめて任じるべきものとされており,適格者がいなければ欠員とすべきであるとしたのでこのように称された。

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旺文社日本史事典 三訂版 「則闕の官」の解説

則闕の官
そっけつのかん

太政大臣 (だいじようだいじん)

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世界大百科事典(旧版)内の則闕の官の言及

【太政大臣】より

…和訓では〈おおまつりごとのおおまえつぎみ〉といい,唐名では(大)相国。令では唐の三師(太師,太傅,太保),三公(太尉,司徒,司空)を兼ねる重職と位置づけられ,適任者のない場合には欠員とされ,〈則闕(そつけつ)の官〉ともいわれた。その具体的な職掌は令文にも記されておらず,〈非分掌之職〉であった。…

※「則闕の官」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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