(読み)し

精選版 日本国語大辞典 「刺」の意味・読み・例文・類語

し【刺】

〘名〙
名刺。なふだ。
菅家文草(900頃)一・入夏満旬、過藤郎中亭、聊命紙筆「礼成無厭来修刺、酒熟応歓引入堂」 〔晉書‐熊遠伝〕
植物の、とげ。〔植物学語鈔(1886)〕

ささ・る【刺】

〘自ラ五(四)〙 とがった物が他の物に突き立つ。また、棒状のものが器物などの中に立ててある。〔観智院本名義抄(1241)〕
※彼岸過迄(1912)〈夏目漱石風呂の後「傘入に、僕の洋杖(ステッキ)が差さってゐる筈です」
家族会議(1935)〈横光利一〉「手にガラスが刺さってゐませんか」

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デジタル大辞泉 「刺」の意味・読み・例文・類語

し【刺】[漢字項目]

常用漢字] [音](呉)(漢) セキ(漢) [訓]さす ささる とげ
〈シ〉
とがったもので突きさす。「刺客刺激刺殺刺繍ししゅう
そしる。「風刺
とげ。「有刺鉄線
名札。「名刺
〈さし(ざし)〉「刺身さしみ絽刺ろざし
[難読]刺草いらくさ刺青いれずみ肉刺まめ

とげ【刺/×棘】

体表にある、堅くて先のとがった突起物。植物では、表皮が変化したもの(バラ)や葉・茎・托葉・根が変化した葉針サボテン)・茎針サイカチ)・托葉針(カラタチ)・根針(シュロ)などがある。動物では、ハリネズミゴンズイアカエイウニなどにみられる。
木・竹・骨などの、細くとがった小片。「―を抜く」
言葉に含まれた、相手の感情を傷つける皮肉や悪意。「―のある言葉」
[類語]いがのぎ綿毛

さし【刺(し)】

米刺こめさ」に同じ。
(「緡」とも書く)江戸時代保管携帯のため穴あき銭に通して用いた麻縄。ぜにさし。
刺し身」の略。「いか刺し

いら【刺】

草木のとげ。いらら
魚の背びれのとげ。
イラクサのこと。

し【刺】

突き刺すもの。とげ。はり。
なふだ。名刺。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「刺」の解説

刺 (バラ)

植物。有刺植物およびバラ科バラ属の蔓性または直立低木の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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