別路(読み)わかれじ

精選版 日本国語大辞典 「別路」の意味・読み・例文・類語

わかれ‐じ ‥ぢ【別路】

〘名〙
① 人と別れてこれからたどってゆく道。また、人との別れ。離別。別れのみち
古今(905‐914)羇旅・四一五「いとによる物ならなくにわかれぢの心ぼそくも思ほゆる哉〈紀貫之〉」
② この世と別れて冥途へ行く道。よみじ。
※栄花(1028‐92頃)もとのしづく「別路は遂のことぞと思へども後れ先だつ程ぞ悲しき」
本道から分かれ出た道。また、道の分かれているところ。岐路。わかれみち。
南小泉村(1907‐09)〈真山青果〉二「黒瀬の家はその岐路(ワカレヂ)の小高い丘の上」
④ 行動・手段などで、どちらをとるか決める場面。いずれの方向に進むか決まる所。わかれみち。
魔風恋風(1903)〈小杉天外〉前「生涯の栄辱浮沈の岐路(ワカレヂ)に臨んで」

べつ‐ろ【別路】

〘名〙
① 別の道。異なった道。
経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後「二十万の大軍を四団に分ち各団別路を取ることに定め」
② 常の道と異なった道。本道からそれた道。わきみち。
作戦要務令(1939)一「而して高射部隊躍進の為別路を配当し得ば有利なり」 〔北史‐李景伝〕
③ 人に別れて行く道。わかれじ。〔徐陵‐秋日別庾正員詩〕
④ それまで行なってきたこととは別の方向。
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一三「既に習慣して品行となれるものを、長大の後、新に別路に転ずるは甚だ難きことなり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「別路」の意味・読み・例文・類語

べつ‐ろ【別路】

別の道。ほかの道。
本道からはずれた道。わき道。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「別路」の読み・字形・画数・意味

【別路】べつろ

別れの路。唐・陳子昂春夜友人に別る〕詩 離堂、琴瑟(きんしつ)を思ひ 別路、山川を遶(めぐ)る 、高樹に隱れ 長河、曉天に沒す

字通「別」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android