別房留置(読み)べつぼうりゅうち

世界大百科事典(旧版)内の別房留置の言及

【更生保護】より

…欧米では,18世紀後半から出獄者の保護の団体が慈善目的で作られていたが,近代的な社会内処遇の制度であるパロール(保護観察付仮釈放,18世紀末以来)や,プロベーション(保護観察付刑の猶予,19世紀半ば以来)の制度も整ってきていた(〈行刑〉の項参照)。 明治維新後,1872年の監獄則は刑余者で生計の見通しのない者を懲治場にとどめるという規定を定めたが翌年施行が停止され,1882年施行の〈改正監獄則〉が,刑期満限の後頼るべき所のない者はその情状により監獄の別房にとどめ生業を営ましめるとする別房留置の制度を発足させた。民間においては,金原明善が,1880年に獄中における説教を行うかたわら刑余者の保護も行った静岡勧善会を発足させ,88年には,川村矯一郎らとともに,出獄者を保護し再犯を予防する目的で静岡県出獄人保護会社を設立し,更生保護事業の先駆となった。…

※「別房留置」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android