別境(読み)べっきょう

精選版 日本国語大辞典 「別境」の意味・読み・例文・類語

べっ‐きょう ‥キャウ【別境】

〘名〙
① ある世界と時間・空間などの異なる、別の世界。
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一「其景況たる、北部巡覧の以前と、殆ど別境の如し」
② 特別の世界。この世のものとも思われないすぐれた場所。仙境
※続々金色夜叉(1899‐1902)〈尾崎紅葉〉二「林泉の奢を窮め、又有るまじき清福自在の別境なり」
仏語。特殊な対象について生ずる心のはたらき。
※法相二巻抄(1242か)上「此五は各々別々の境を縁するが故、別境となづく。境といは心の知る処の法也。縁すといは物を知るを申也」

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