デジタル大辞泉
「初」の意味・読み・例文・類語
うぶ【▽初/初=心/産/▽生】
[名・形動]
1 (初・初心)世間ずれがしていないこと。ういういしいこと。また、そのさま。「そのまま信じるほど―ではない」
2 (初・初心)まだ男女の情を解しないさま。「―な娘」
3 (産・生)
㋐生まれたときのままであるさま。
「人間らしい崇高な生地を―の儘有っているか解らないぜ」〈漱石・明暗〉
㋑自然のままであること。また、つくられたままであること。
「品が―で、胡粉一つ剝げてないなんてものは」〈魯庵・社会百面相〉
㋒(名詞の上に付けて)生まれたときの。生まれたときのままの。「―声」「―毛」
[類語]初初しい・おぼこ・無邪気・あどけない・いたいけ・無心・天真爛漫・天衣無縫・イノセント・罪が無い
うい〔うひ〕【初】
[名]最初。初め。
「我はけさ―にぞ見つる花の色をあだなるものといふべかりけり」〈古今・物名〉
[接頭]名詞に付いて、初めての、最初の、の意を表す。「初産」「初陣」「初孫」
[類語]初・お初・初めて・初回・初手
はつ【初】
1 初めてであること。初め。最初。「日本人初の宇宙飛行士」「初の試み」
2 名詞の上に付けて接頭語的に用い、初めての、新しい、などの意を表す。「初公判」「初霜」「初春」
[類語]初・お初・初めて・初回・初手
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はつ【初】
[1] 〘名〙
① はじめてであること。最初。「はつに」「はつで」の形で連用修飾語として用いられ、現代では、「おはつに」のような
慣用語として用いることが多い。〔名語記(1275)〕
※
日葡辞書(1603‐04)「ミヤコエ マイッタ コトワ イマ fatçude
(ハツデ) ゴザル」
※大鏡(12C前)二「官物のはつをさきにたてまつらせ給めり」
③ はじめて、その
遊女屋へあがること。また、その客。転じて、男女の初情交をいう。初会
(しょかい)。
※歌舞伎・関東小六今様姿(1698)一「こな様とかうして居るが初でござんす」
[2] 〘
語素〙 名詞または、
動詞の
連用形の上に付いて、はじめての、あるいは、あたらしいの意を表わす。特に、その年はじめての意で用いることが多い。「初風」「初雁」「
初春」「初草」「初声」「初雪」「初節句」など。
うい うひ【初】
[1] 〘名〙
① 最初。初め。
※古今(905‐914)物名・四三六「我はけさうひにぞ見つる花の色をあだなるものといふべかりけり〈
紀貫之〉」
※
咄本・当世手打笑(1681)五「或女房懐妊しけるが、うゐの事なれば」
[2] 〘語素〙 名詞の上に付いて、「初めての、最初の」の意を添える。「うい冠(こうぶり)」「うい産」「うい陣」「うい孫」など。
[語誌]「うい」は「生まれて初めて」の意で、類義の「はつ」は、ある一定の周期ごとの初回、たとえば、一日、一年などにおける最初の意であることが多い。
そ・める【初】
〘マ下一〙 そ・む 〘マ下二〙 (「そめる(染)」と同語源か。
補助動詞として用いる) その
行為がはじまる意、また、はじめられた行為や
動作の
結果が長くあとに残る意を表わす。
※
万葉(8C後)四・六一二「なかなかに黙
(もだ)も
あらましを何すとか相見始
(そめ)けむ遂げざらまくに」
※
源氏(1001‐14頃)
帚木「忍ぶれど涙こぼれそめぬれば、折々ごとに、え念じえず」
[
補注]「思いそめる」「見そめる」「乱れそめる」などの「そめる」には、「染める」の
意識の強い場合がある。→
そめる(染)③
ぞめ【初】
〘語素〙 (動詞「そめる(初)」の連用形の
名詞化から) 動詞の連用形に付けて、その動作をはじめてすることをいう。「使いぞめ」「渡りぞめ」「書きぞめ」「弾
(ひ)きぞめ」「食いぞめ」「笑いぞめ」など。
うい‐し うひ‥【初】
〘形シク〙 幼い。また、そのような
状態である。未成熟だ。
※神代口訣(1366)「稚 宇比志也」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
初 はつ
1761-1783 江戸時代中期の女性。
宝暦11年生まれ。讃岐(さぬき)菅沢(高松市)の農民与七郎の養女。養父の甥(おい)八兵衛を婿にむかえ,2子を生む。夫が養母に虐待され家をでたあと,再婚をすすめられたため,子を八兵衛の母に託し操をたてて天明3年3月25日自殺した。23歳。
出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例