はつ‐ゆき【初雪】
[1] 〘名〙
① その年の冬初めて降る雪。《季・冬》
※
万葉(8C後)二〇・四四七五「波都由伎
(ハツユキ)は千重に降りしけ恋しくの多かる我れは見つつしのはむ」
② 新年になって初めて降る雪。
※金葉(1124‐27)春・七「
あらたまの年の初に降りしけば初雪とこそいふべかるらん〈
藤原顕季〉」
③ 襲
(かさね)の
色目の名。表は白く裏は白の
少し曇ったものか、または
紅梅のもの。五節以後の使用という。〔胡曹抄(1480頃)〕
④ 紋所の名。円の中心から飯匙状の形を六個放射状に出した形を図案化したもの。
[2]
謡曲。三番目物。金春流。金春禅鳳作。
出雲大社の
神主の
息女が、初雪と名づけてかわいがっていた白い鶏の死を悲しんで
追善供養を行なうと、初雪の霊が現われて舞をまい、
極楽に生まれた喜びを述べて去っていく。
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デジタル大辞泉
「初雪」の意味・読み・例文・類語
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初雪
はつゆき
first snow of the winter
冬になって初めて降る雪。降ってもたいていは融けてしまい、積雪や根雪となることはない。初雪のあった日が雪の初日で、平年値は、北海道で10月下旬、東北、中部地方の内陸部で11月、関東から近畿、中国、四国の内陸部で12月、関東以西の太平洋岸では1月上旬である。観測史上もっとも早い初雪は、旭川(あさひかわ)で10月2日(1898)、札幌で10月5日(1880)、新潟で11月7日(1932)、東京で11月17日(1900)、名古屋で11月7日(1904)、大阪で11月12日(1938)、高知で11月9日(1924)、福岡で11月12日(1938)、鹿児島で12月2日(1987)である。
[小林禎作・前野紀一]
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初雪
はつゆき
first snow
寒さに向かう時期になり初めて降る雪。みぞれも含める。富士山などの高山ではその年の日平均気温の最も高い記録が出た日以後の雪を初雪とする。年による変動は大きいが、北海道で 10月下旬~11月上旬,東北地方および中部地方内陸で 11月上旬~中旬,北陸地方で 11月下旬,その他東日本から西日本の各地では 12月上旬~下旬。1月に初雪を観測するのは関東地方南部,伊豆諸島,九州地方南部である。なお,雪が山頂付近に積もり,白く見えることを冠雪といい,夏が終わったあと,山麓の気象官署から見て,初めての冠雪をその山の初冠雪という。
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