初筆(読み)ショフデ

デジタル大辞泉 「初筆」の意味・読み・例文・類語

しょ‐ふで【初筆】

いちばん初めに書き記すこと。
一番であること。第一であること。筆頭
「(赤十字社支部ニ)村の―に入社はいったのさ」〈木下尚江良人の自白
歌舞伎番付看板一座俳優の名を列記するとき、いちばん初めに書き出す俳優。また、その地位。書き出し。→留筆とめふで

しょ‐ひつ【初筆】

物を書く場合の、最初一筆
しょふで(初筆)」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「初筆」の意味・読み・例文・類語

はつ‐ふで【初筆】

〘名〙
① 最初に書きしるすこと。書きはじめ。転じて、一番であること。しょふで。
滑稽本・八笑人(1820‐49)五「しゃれ仲間で初筆(ハツフデ)に付ねへぢゃア外聞がわりい」
② 歌舞伎で、俳優の一座における順位を示す語。看板、番付などの最初に書き出された俳優をさし、留筆(とめふで)に書かれた座頭(ざがしら)に次ぐ。しょふで。書出(かきだし)。〔随筆守貞漫稿(1837‐53)〕
遊女などの最初の客となること。
読売新聞‐明治二六年(1893)三月一二日「よい子なれば私が客の初筆になる事に約束し」

しょ‐ふで【初筆】

〘名〙
① 最初に書きしるすこと。また、その人。筆頭(ひっとう)
※咄本・春袋(1777)女郎身請「そして辻番書付にも、あなた御名が、初筆(ショフデ)に大きく書てあるといへば」
② 一番であること。第一であること。筆頭。
洒落本・南門鼠(1800)「しちやではどこだらふの。河内屋なんぞが初筆(ショフデ)だらふ」

しょ‐ひつ【初筆】

江戸から東京へ(1922)〈矢田挿雲〉八「紀州の篤志家浜口梧陵の初筆(ショヒツ)三百両外諸有志の寄附を得て」

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