切起(読み)きりおこす

精選版 日本国語大辞典 「切起」の意味・読み・例文・類語

きり‐おこ・す【切起】

〘他サ五(四)〙
荒地を切り開いて田畑などにする。
② 切って運び出す。切り取って出す。
雪国(1935‐47)〈川端康成〉「村の子供等は藁沓で雪を踏み固め、その雪の板を二尺平方ぐらゐに切り起し」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「切起」の意味・わかりやすい解説

切起
きりおこし

荒れ地を切り開いて田畑などに開墾すること。戦国時代などに用例がみられる。1560、61年(永禄3、4)の今川氏真判物(うじざねはんもつ)(静岡県龍津寺文書・町田文書)の場合、前者では、新田開発による開墾地寺領として安堵(あんど)され、後者では、一定の範囲を限って開墾が許可されている。やや拡張解釈されている例もあるが、語義そのものには開墾という以上の意味はないようである。新開(しんかいしんがい)、新起(しんき)などとほぼ同意と思われる。

[川島茂裕]

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