切端(読み)きれはし

精選版 日本国語大辞典 「切端」の意味・読み・例文・類語

きれ‐はし【切端】

〘名〙
① 紙、布、木材などの切り取った残りの一片。また、物の一部分断片。きりくず。きれっぱし。きれはしか。
神道集(1358頃)六「紺地の錦の切れ端四尺計り残たり」
② (比喩的に) 取るにたりない一員。はしくれ。末輩。きれっぱし。
明徳記(1392‐93頃か)下「あるときは一大事工夫の一句をもとひたづぬる人あれば、やぶれ法門のきれはし共、五六人の荒入道が目やう顔やうして」
物事のほんの一部分。
龍源寺(1934)〈渋川驍〉一「持ち合せの智識の切れハシから、〈略〉学資は姉の嫁入先の兄から」

きれっ‐ぱし【切端】

〘名〙 (「きれはし」の変化した語)
洒落本・御膳手打翁曾我(1796か)「その重つめの切(キレ)っぱしを行平鍋へ入て」
人情本・明烏後正夢(1821‐24)初「きれっ端(パシ)のわたしらせへ、是程までに苦労しやすに、かんじんのおめへさんがあんまりふがへねへお心でごぜへます」

きっ‐ぱし【切端】

〘名〙 あるものの一部。ある集団一人。きれはし。かたはし。かたわれ。
※俳諧・胴骨(1678)賦何絞俳諧「蓮の糸ほそふ出ましてかこいにしよ〈西鶴〉 恋は夕くれ月はきっはし〈西国〉」
浄瑠璃栬狩剣本地(1714)一「ヤイ、見事馬にのったれば、定て武士のきっぱしならん」

きり‐はし【切端】

〘名〙 断ち切ったものの残りの断片。きれはし。
山家集(12C後)下「鹿の立つ野辺の錦のきりはしは残り多かる心地こそすれ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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