切明神事(読み)きりあけしんじ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「切明神事」の意味・わかりやすい解説

切明神事
きりあけしんじ

島根県出雲市佐田町須佐に鎮座する須佐神社で,毎年 8月15日に行なわれる念仏踊。もとは旧暦 7月15日の行事で,須佐大念仏とも呼ばれる。午前中に神事行ない,午後,境内に神事花または祭り花と呼ばれる花傘を 2本立て,その下で踊りが行なわれる。花傘は高さ 5mほどの竹に 2段の放射状に竹ひごを取り付け,670個のサクラの造花短冊で飾り,頂部に「奉迎神霊降臨」と書かれた赤い幟旗を載せたもの。踊り手は,小太鼓を叩く子供 3人,を打つ大人 3人,役の大人 1人で構成され,木綿の染め抜きの着流しに,上部に紅白と青の紙垂を付け縁に赤い幣を隙間なく垂らした花笠をかぶり素足という姿で,小太鼓を中心に円陣を組んで踊る。3段の念仏踊のあと,一人が支え綱から神事花をはずし,それを持って踊り手の周囲を回る。それが終わると,参拝者が神事花に殺到して造花のサクラを奪い,持ち帰る。持ち帰った造花は,田畑に挿す。

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