分離派[ロシア](読み)ぶんりは[ロシア](英語表記)Raskol; Raskol'nik

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「分離派[ロシア]」の意味・わかりやすい解説

分離派[ロシア]
ぶんりは[ロシア]
Raskol; Raskol'nik

1667年のロシア教会の分裂に際し,新たに改訂された典礼儀式を認めぬ人々が形成した一派。彼らは正教徒が3本の指で十字を切り,3度ハレルヤを唱えるのに対し,昔ながらに2本の指で十字を切り,ハレルヤを2度唱えた。聖職者と儀式を認める一派と,それらを認めない無聖職者派とに大別されるが,さまざまな分派があった。そのうちで特に有名なのはモロカン教徒やドゥホボール教徒であるが,後者は 19世紀末にトルストイらの援助で大挙してカナダへ移住した。一般に分離派は政府から迫害を受けたが,なかには綿織物工業などで産をなし,大資本家になる者も出た。

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