分離派(ロシア正教会)(読み)ぶんりは(英語表記)раскольники/raskol'niki

日本大百科全書(ニッポニカ) 「分離派(ロシア正教会)」の意味・わかりやすい解説

分離派(ロシア正教会)
ぶんりは
раскольники/raskol'niki

ロシア正教会の一派。1650年代にロシア総主教ニコンが行った一連の礼拝儀式の改革に反対し、長司祭アバクームらを指導者として国家教会から分離した信徒たちをさす。当局の厳しい弾圧を受けながらも、辺境の森の中やシベリアに潜んで旧来信仰の伝統を固守し、18世紀末以後はモスクワなどの都市でも勢力を伸長させた。正確な統計はないが、19世紀の全国の信徒数は1000万を超すともいわれ、資本家を輩出したこともあって、ロシアの社会的、経済的発展に大きな影響を及ぼした。司祭の権威を認める容僧派と、その権威を認めない無僧派に大別される。

中村喜和

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android