分米(ぶまい)(読み)ぶまい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「分米(ぶまい)」の意味・わかりやすい解説

分米(ぶまい)
ぶまい

ぶんまい」ともいう。(1)中世において年貢米のこと。一反当りの年貢徴収率(斗代(とだい))に反別を乗じて算出された。籾(もみ)や銭で納める場合は、分籾(ぶんもみ)・分銭(ぶんせん)といった。(2)江戸時代に領主が農村支配にあたって使用した用語。内容は石高(こくだか)と同じ。一村のなかで、田畑の上・中・下の品等に応じて、その土地の公定収穫高を表すときに「分米 ○石○斗○升○合」と称した。その数値は、その田畑の広さに、石盛(こくもり)(田畑の上・中・下の品等に比例して定められる一反についての公定収穫高)を乗じて求められた。したがって石高と同じと考えてよいが、領主の惣知行高(そうちぎょうだか)や一村の惣村高のことは分米とはいわない。一村の惣高(村高)を構成する所々の田畑の広さと品等の分に比例した公定生産高を米の容積に換算してつけるという意味で、この場合の石高を分米と称したものと考えられている。

[所理喜夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例