出雲路(読み)いずもじ

日本歴史地名大系 「出雲路」の解説

出雲路
いずもじ

賀茂かも川の西畔、現在の北区と上京区の区境辺り一帯をいう。「和名抄」にみえる愛宕おたぎ出雲郷賀茂川を挟んでこの辺り一帯に広がっていたと推定され、出雲路の名も出雲郷に由来する。

出雲路は鞍馬くらま街道の京都の出入口と考えられていたらしく、長和四年(一〇一五)京都で疫病が流行した時、この辺りにあった出雲寺で御霊会が催されており、「小右記」長和四年八月一八日条に「伝聞、今日出雲守御霊会、童部群闘乱、童二人騎馬馳参」とある。

出雲寺は現上御霊かみごりよう神社辺りにあって「今昔物語集」巻二〇に「上津出雲寺」とみえるが、当時既に古寺として描かれており、平安末期には廃絶したらしい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android