出来上(読み)できあがる

精選版 日本国語大辞典 「出来上」の意味・読み・例文・類語

でき‐あが・る【出来上】

〘自ラ五(四)〙
① すっかりできる。完成する。成就する。
※俳諧・武玉川(1750‐76)一二「出来上る長柄に見世のかくれけり」
小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉下「成功(デキアガ)りし後にてもいと醜き廉多かるべし」
② 生まれつく。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二「背のすらりとした撫肩の恰好よく出来上った女で」
③ 酒に酔ってすっかりいい気持になる。
手鎖心中(1972)〈井上ひさし向島「酒をすすめあい、〈略〉もう大分出来上っている」

でき‐あがり【出来上】

〘名〙
① できあがること。作り終わること。また、そのもの。完成。成就。〔英和商業新辞彙(1904)〕
② できあがった状態。できぐあい。できばえ。
大阪の宿(1925‐26)〈水上滝太郎〉三「もう片々の靴を顔の高さ迄持上げて、出来上りに満足してゐるやうな目つきをして見てゐる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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