出奔(読み)しゅっぽん

精選版 日本国語大辞典 「出奔」の意味・読み・例文・類語

しゅっ‐ぽん【出奔】

〘名〙 (出(い)で奔(はし)る意)
① 逃げて跡をくらますこと。逐電。逃亡かけおち
蔭凉軒日録‐永享七年(1435)一一月二九日「建仁寺長老出奔之事被露之
浄瑠璃大原御幸(1681‐84頃)二「熊谷の次郎直実しゅっぽんの事いさい承り届候へば」 〔春秋左伝‐隠公元年〕
江戸時代徒士(かち)以上の武士が逃亡して跡をくらますこと。失跡
※記事条例‐一七「徒士以上、出奔唱、足軽以下、欠落唱来候事」

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デジタル大辞泉 「出奔」の意味・読み・例文・類語

しゅっ‐ぽん【出奔】

[名](スル)
逃げだして行方をくらますこと。逐電ちくでん。「親に逆らって郷里出奔する」
江戸時代、徒士かち以上の武士の失踪しっそうをいう。
[類語]家出駆け落ち逐電どろん高飛び夜逃げ都落ち食い逃げ乗り逃げ

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普及版 字通 「出奔」の読み・字形・画数・意味

【出奔】しゆつぽん

他国に逃亡する。〔左伝、隠元年〕五辛丑、大叔、共に出す。~出と言はざるは、之れを(はばか)りたればなり。

字通「出」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の出奔の言及

【欠落】より

…初期の領主禁令では,このような欠落人を,多く走(はしり)百姓,走りものなどと称し,厳しい処分規定を設けている。欠落の類語に,家出,出奔,立退(たちのき),風与出(ふとで)などがあるが,中期以降は,階層,理由を問わず,これら居住地からの失踪行為全般を意味する用語として,欠落が広く使用された。欠落人についての規則も,中期以降はより詳細になる。…

※「出奔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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