出会貿易(読み)であいぼうえき

山川 日本史小辞典 改訂新版 「出会貿易」の解説

出会貿易
であいぼうえき

16世紀後半日本船が南方諸地域で行った明船との貿易。明は海禁政策を1567年に一部緩和し,沿岸商民の東南アジア方面への渡航貿易を許したが,倭寇(わこう)の根拠地と考えられた日本への渡航は厳禁した。そこで日本の船は明船も来航する台湾インドシナ半島などに出かけ,明船から生糸絹織物など中国産物資を買いつけた。当時これらの日本船を渡唐船とよんだ。

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百科事典マイペディア 「出会貿易」の意味・わかりやすい解説

出会貿易【であいぼうえき】

16―17世紀初頭の日明(にちみん)貿易形態。明の海禁令を避けて,両国商人は台湾,ルソン島のマニラベトナムなどに出向いて貿易した。日本は特に中国産の生糸を多く買い付けた。

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旺文社日本史事典 三訂版 「出会貿易」の解説

出会貿易
であいぼうえき

勘合貿易断絶後の16〜17世紀における日明貿易の形態
明は海禁政策をとって勘合貿易のような朝貢貿易しか認めず,特に日本船の渡航を禁じたため,日明貿易は台湾・ルソンなどで双方の船が出会い,通商した。

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